2025/03/12投稿者:スタッフ

ゼネコンとサブコンの違いは?施工管理の働き方を比較

ゼネコン・サブコンの定義と特徴

1. ゼネコンの概要

2. サブコンの概要

ゼネコン・サブコンで異なる施工管理の役割

1. 現場全体を統括するゼネコンの施工管理

2. 専門工事を管理するサブコンの施工管理

施工管理の年収傾向と高収入を得るポイント

1. 施工管理の平均年収と業種別ランキング

2. 年収に影響する要因と資格取得の重要性

ゼネコン・サブコンそれぞれの働き方の違い

1. 業務範囲やキャリアパスの差

2. 働く場所と仕事のやりがい

まとめ

 

建設業界には、全体を取りまとめるゼネコンと専門工事を担うサブコンが存在します。両社の役割や施工管理の働き方は一見似ているようでいて、実際には大きく異なる点が多くあります。本記事では、ゼネコンとサブコンの違いを明確にしながら、施工管理の働き方や年収に関する情報を詳しく解説します。施工管理会社への就職や転職を考えている方に向けて、具体的なキャリアアップや年収アップのポイントもご紹介します。

 

ゼネコン・サブコンの定義と特徴

ゼネコンとサブコンは、どちらも建設業を営む企業を指しますが、両社には大きな違いがあります。まずは両社の定義や特徴を押さえ、施工管理に関する理解を深めていきましょう。

 

1. ゼネコンの概要

ゼネコンは総合建設業を意味する「ゼネラル・コンストラクター」の略称です。公共事業からマンション建設まで幅広く受注し、建築や土木などの一式工事を一手に請け負う役割を持ちます。受注時には、入札の可否によって多岐にわたる工事案件の流れが決まり、その案件ごとに予算や工程を管理する立場となります。また、工事全体を統制するため、サブコンとなる各専門業者に工事を発注し、品質や進捗を管理することも大きな任務です。

ゼネコンは大規模プロジェクトの責任を負うため、多角的な視点が要求されます。たとえば高層マンションの工事では、基礎工事や内装工事だけでなく、電気設備や給排水設備まで総合的に管理します。そのため、ゼネコンの施工管理者は複数の作業工程を統括する必要があります。工事全体を通して事故のないよう安全計画を立てたり、仕事の優先順位を調整したりするなど、プロジェクトをスムーズに進めるためのマルチタスク能力が求められます。

 

2. サブコンの概要

サブコンはSub Contractorの略で、ゼネコンなどから専門工事を受注する企業です。設備工事や電気工事、あるいは空調設備に特化しているケースが多く、特定の工種を手掛けるスペシャリストとして現場に貢献します。サブコンはゼネコンからの受注割合が大きく、ゼネコンが主体となる大型建設プロジェクトで力を発揮する存在です。そのため、サブコンにとってゼネコンは一種の“大口顧客”となり、長期的な取引関係を重視する企業が大半です。

大きなサブコン企業では、空調設備だけでなく衛生設備の施工まで総合的にカバーするケースもあります。現場によっては工事範囲が重なることがあるため、サブコン同士が連携を図る場面も少なくありません。施工管理も同様に、工事工程の調整や情報共有が重要となります。サブコンの営業形態は主にルート営業です。ルート営業では、顧客であるゼネコンとの信頼関係構築によって安定的な受注を目指します。

 

ゼネコン・サブコンで異なる施工管理の役割

同じ施工管理でも、ゼネコンとサブコンではカバーする範囲や日常業務が異なります。どちらに所属するかで、キャリアの方向性や仕事内容に違いが生じる点に注目です。

 

1. 現場全体を統括するゼネコンの施工管理

ゼネコンの施工管理は現場全体を統括し、スケジュールの調整や品質管理などを一手に担います。建設プロジェクトには複数の業者や人員が参加するため、資材が適切に手配されているか、作業工程が遅れていないかなどを細かくチェックします。また、発注者との打ち合わせやコスト計算も重要です。具体的には設計図面を踏まえながら、土木・建築・設備などの各種工事が干渉し合わないよう調整を行い、スムーズに進行するよう進捗管理を行います。

ゼネコンの施工管理者にとって、安全管理は大きなテーマです。たとえば高所作業や重量物の取り扱いなど、事故リスクが高い箇所では特別な安全基準を設ける必要があります。現場では作業員への指示や定期的な安全点検、定例会議などを実施し多面的に運営していきます。こうした体制づくりによって工事の全行程を事故なく、かつ工程遅延を最小限に抑えることが求められます。

 

2. 専門工事を管理するサブコンの施工管理

サブコンの施工管理は、ゼネコンから割り当てられた専門分野の工事を深く追究しながら進めます。電気設備や空調設備などを担当する場合、自社の専門技術を活かして工事計画を練り、設計図面が意図する性能を確実に実現することが大切です。サブコン特有の工程管理では、施工方法の詳細を検討しつつ、資材の発注や作業員の配置を管理します。

サブコンの現場管理者も、ゼネコンの意向や全体スケジュールに合わせて作業を進めなくてはなりません。しかし、自社独自の専門知識や施工手順が業務の大部分を占めるため、より職人気質な側面があります。さらに、専門工事ならではの高度な資格が求められるシーンも多くあります。

 

施工管理の年収傾向と高収入を得るポイント

施工管理は比較的年収が高めの職種といわれています。さらに業種や会社規模、資格の有無によっても年収は大きく変わることから、自身のキャリアビジョンに応じた選択が重要だと考えられます。

 

1. 施工管理の平均年収と業種別ランキング

施工管理全体として平均年収は高水準にありますが、職種による違いが存在します。以下に代表的な業種別の平均年収をまとめました。

 

順位 職種 平均年収
1 プラント施工管理 約700万円
2 設備施工管理 約640万円
3 電気通信施工管理 約630万円
4 電気工事施工管理 約620万円
5 土木施工管理 約610万円
6 建築施工管理 約610万円

 

上記のように、プラント系や設備系の施工管理は年収が特に高めに設定されている傾向があります。これはプラントや特殊設備の工事が高度な専門知識を要するためだと考えられます。一方で、建築や土木といった分野でも、大手ゼネコンやサブコンへの就職によって給与水準が高まるケースが多いです。

 

2. 年収に影響する要因と資格取得の重要性

施工管理の年収に影響する要因としては、まず地域が挙げられます。都市部は需要が高く、地方と比べると給与水準が上がりやすい傾向があります。また、会社規模も大きな要素であり、大手企業や上場企業は報酬に恵まれ、福利厚生も充実しているケースが多いです。さらに工事現場の責任者を任されるほど、経験や実績に応じて役職手当や管理手当が上積みされやすくなります。

施工管理で効率的に年収を上げるには、資格が欠かせません。例えば1級や2級の施工管理技士資格を取得すると、大手企業への転職や社内昇進で有利に働くことがあります。特に建設業界では「施工管理技士」の資格を条件とする求人が多く、さらに持っている資格の数やレベルに応じて資格手当が支給される場合もあります。こうした要素を組み合わせることで年収アップを目指すことが可能です。

 

ゼネコン・サブコンそれぞれの働き方の違い

ゼネコンとサブコンでは、扱う工事領域の広さだけでなく、キャリアの広がり方や働く場所にも差があります。自分にどのようなスキルを身につけたいかによって、選択の指針が変わるかもしれません。

 

1. 業務範囲やキャリアパスの差

ゼネコンの業務範囲は建築工事や土木工事、設備工事など幅広い分野に及びます。現場全体を指揮できる総合力が培われる半面、プロジェクト管理の比重が高いので、専門分野を深堀りする機会はサブコンより少ないといえます。キャリアパスとしては、大規模案件の監督を任されるか、管理職などのポストに就くことが主なゴールになります。

サブコンでは得意とする工事分野に特化するため、技術力を深く磨くことができます。工事の一部分とはいえ、その道においては第一人者を狙うことも可能です。資格を取得すれば相応の待遇を得やすい傾向があり、電気工事や給排水といったニッチな分野で頼られる人材となる道も開けます。しかし、ゼネコンに比べると全体管理の視点はやや狭くなりがちです。

 

2. 働く場所と仕事のやりがい

ゼネコンは全国各地の大型案件を請け負うため、地方から都市部まで幅広い地域の現場を担当する場合があります。出張や転勤なども起こりやすい分、スケールの大きな案件に携われる点が特徴です。国や自治体が発注する公共事業を引き受けることも多く、社会的なインフラ整備に直接関わるやりがいが得られます。

サブコンはゼネコンのプロジェクトに合わせて動くことが多いものの、自社が特化している工事範囲での裁量が大きいことがあります。やりがいとしては、自分の専門知識が直接的に活かされ、完工後に分かりやすい成果を得やすい点が挙げられます。加えて、特定の分野に強いサブコンであれば、大手ゼネコンが手配できない高度な技術を提供できるため、独自の存在感を示すことが可能です。

 

まとめ

ゼネコンとサブコンはそれぞれ特徴や役割が異なり、施工管理の働き方や年収の傾向にも差があります。ゼネコンは工事全体を統括し、複数のサブコンを管理する必要があるという特徴があります。それに対しサブコンは、特定の工程に特化しており、専門技術を深く身につけやすいです。施工管理は高年収が期待できますが、資格や会社規模、地域によって差が生じるため、様々な要素を検討し、自分に合った最適な選択をすることが大切です。また、ゼネコン・サブコンのどちらに属するかでキャリアパスや働き方が変わるため、ご自身のキャリアプランをしっかりと計画立てて決断しましょう。

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