2025/02/19
施工管理の仕事内容を解説!現場監督との違いも詳しく紹介
施工管理の仕事内容とは
1. 施工管理の基礎知識
2. 4大管理のポイント
3. 施工管理の活躍分野
現場監督と施工管理の違い
1. 現場監督の役割
2. デスクワークと現場対応の差異
3. 両者を比較した表
施工管理の年収とキャリアアップくポイント
1. 施工管理の平均年収
2. 資格取得によるステップアップ
3. 業務効率化とDXの動向
未経験から施工管理へ挑戦するコツ
1. 適性と必要スキル
2. 取得支援制度の活用
3. 学習と資格取得のアプローチ
まとめ
施工管理の仕事内容を解説!現場監督との違いも詳しく紹介
建設現場で重要な役割を果たす「施工管理」と「現場監督」は、モノづくりの達成に欠かせないポジションです。とはいえ、両者の業務内容や働き方の違いは、意外と知られていないものかもしれません。
ここでは、施工管理の具体的な仕事内容や現場監督との違いを紹介します。さらに、年収やキャリアアップ、未経験から挑戦する方法についても取り上げますので、建設業界への転職を検討している方はぜひ目を通してみてください。
施工管理の仕事内容とは
建設工事を円滑に進めるためには、現場全体の進行状況を把握し、必要な手配や調整、書類作成などを行う作業が欠かせません。施工管理は工期・品質・安全・コストを管理する「4大管理」で現場の状況を把握しつつ、スムーズに工事を完了させることを目指します。
また、施工会社や設計事務所、工事担当者などさまざまな関係者と連携をとることが求められます。多方面との調整力やリーダーシップが活きるため、人と関わり合いながら仕事を進めることに意欲を感じる方に向いているでしょう。
1. 施工管理とは
施工管理とは、建築・土木・電気・管工事などの工事現場において、工程と品質、安全、そして費用面を管理する仕事です。工事の着手前から完成後の書類整理まで、幅広い業務に携わります。
例えば、図面や仕様書の内容を確認しながら、いつ・どのタイミングでどの職種に作業を依頼するかスケジュールを組み立てます。必要な資材の発注や現場作業員の人数確認も担当範囲です。最適な段取りが工事の品質と安全を左右します。
さらに、行政への手続きや協力会社との打ち合わせなど、デスクワーク的な業務も多く含まれます。現場だけでなくオフィスでの活動も多いため、地道な作業や細やかな書類管理が得意な方にも向いています。
2. 4大管理のポイント/h4>
施工管理の「4大管理」は、以下のような内容に分類されます。これらをバランスよく行うことで、より高品質な建設物を完成させることが可能になります。
種類 | 主な内容 |
---|---|
工程管理 | スケジュール策定、進捗確認、作業員や資材の手配など |
安全管理 | 労働災害防止、危険箇所の周知、日々の安全パトロールなど |
品質管理 | 設計図どおりに施工されているかのチェック、測定データの確認など |
原価管理 | 予算の策定、経費の把握、コスト削減策の検討など |
工程管理では各工程の進捗状況を随時理解する必要があります。品質管理は建築物の耐久性や機能性を高めるうえで欠かせません。安全管理では作業員を事故から守る大切な活動を行い、原価管理で利益を確保しながら効率的な工事を目指します。
3. 施工管理の活躍分野
施工管理は建築以外にも、多岐にわたる分野で求められています。道路や橋梁などインフラ整備を担う土木施工管理、照明設備などを担当する電気工事施工管理、空調・給排水などを管理する管工事施工管理などが挙げられます。
プラントや造園など専門的な分野に特化した施工管理も存在し、それぞれの業務形態や必要とされる知識が異なる点が特徴です。自分の興味・関心に合った領域で活躍できることが、施工管理の大きな魅力と言えるでしょう。
将来的には大規模工事を担当するチャンスも多く、若手のうちから貴重な経験を積める可能性があります。特に年齢層が高まりつつある業界のため、若い人材にはさまざまなプロジェクトに携わる機会があります。
現場監督と施工管理の違い
「現場監督」は施工管理と似たイメージをもたれがちですが、実際には担当範囲や働き方にいくつかの違いがあります。現場監督は原則として工事現場での指示出しをメインとし、施工管理は工程計画やデスクワークも合わせて行う点が特徴です。
どちらも工事の完成に向けて不可欠な役割ではありますが、日々の仕事の流れにははっきりとした違いが見られます。以下では、それぞれに求められる業務について具体的に比較します。
1. 現場監督の役割
現場監督は、文字通り現場に常駐しながら作業の安全管理や進行状況の確認、直接的な指示などを担います。作業員の点呼や安全帯など保護具の使用チェック、資材の配置状況を日々現地で把握することが大事です。
さらに、工事が問題なく進むよう、図面や指示書をもとに作業内容を細かく職人へ伝達します。現場レベルでのコミュニケーションが特に重要となるため、人との折り合いが苦にならない方に向いているでしょう。
また、急な天候の変化やトラブル発生時には、とっさに効率のいい対応を考えなくてはなりません。現場固有の事情を理解して素早く対処する能力が求められるポジションです。
2. デスクワークと現場対応の差異
一般的に、施工管理は事務所での仕事も多く、図面を確認しながら予算やスケジュールを調整し、関連する申請書類を作成するなど、オフィスワークの割合が大きくなります。一方で現場監督は、現場そのものに重きを置いた業務構成が基本です。
施工管理は工事全体を俯瞰する立場であり、工期の遅れを防ぐために全工程を見渡す業務がメインとなります。現場監督は実際の施工最前線で段取りを調整し、作業員の安全と品質確保を直接指揮することが中心です。
両者とも「現場のことに精通している必要がある」という点では共通していますが、仕事の重点を置く場所に違いがあるという認識が必要です。施工管理はオフィスワーク、現場監督は実務への深い関わり、という構図で捉えるとわかりやすいでしょう。
3. 両者を比較した表
項目 | 施工管理 | 現場監督 |
---|---|---|
主な業務 | 全体計画の立案、工程表作成、安全・品質・原価管理の調整 | 現場での作業指示、進捗確認、職人の管理、安全管理 |
勤務形態 | オフィスワーク+現場巡回 | 基本的に工事現場に常駐 |
書類業務 | 行政への手続き、書類作成、デスクワークが多い | 職人や協力会社との打ち合わせメモ、点検表、現場記録など |
必要資格 | 施工管理技士(建築・土木・電気など分野別) | 特に必須の国家資格はないが、安全衛生関連資格があると有利 |
現場全体の統括と直接的な指揮という二つの視点で仕事内容に違いがあります。どちらが向いているかは、デスクワークと現場業務のどちらを中心に行いたいかを一つの目安として考えるのもよいでしょう。
施工管理の年収とキャリアアップ
施工管理は高い専門性が求められる職種であり、豊富な現場経験や資格を持つ人ほど収入が上がりやすいとされています。また、建設業界全体で慢性的な人手不足が取り沙汰されているため、有資格者や管理業務を担える人材は企業から奪い合いになることも珍しくありません。
ここでは、年収水準や資格によるステップアップ、さらに今後注目されるIT活用などのトピックを紹介します。
1. 施工管理の平均年収
大手転職情報サービスのデータによると、建築施工管理・工事監理者のモデル年収平均は600万円前後とされています。土木分野や電気分野など、職種ごとの平均額に若干の違いはありますが、大まかに500〜600万円台が相場といえます。
例えば、以下のようなモデル年収が紹介されることがあります。
職種 | モデル年収 |
---|---|
建築施工管理・工事監理者 | およそ607万円 |
空調設備施工管理・工事監理者 | およそ592万円 |
管工事施工管理・工事監理者 | およそ575万円 |
土木施工管理・工事監理者 | およそ569万円 |
プラント施工管理・工事監理者 | およそ562万円 |
電気設備施工管理・工事監理者 | およそ557万円 |
こうした数字からもわかるように、施工管理は専門職のなかでも比較的年収が高い傾向があります。さらに、所長や現場代理人といった責任あるポジションに就くと、それに伴って報酬が大幅アップする例も珍しくありません。
2. 資格取得によるステップアップ
施工管理技士など国家資格を持つ人材は重宝されるため、給与や手当がプラスアルファされる場合があります。1級施工管理技士なら、より大規模な案件を扱えるようになる場合も多く、キャリアアップのスピードが上がることが期待できます。
施工管理に関連する主な資格は以下のとおりです。
資格名 | 対象分野 |
---|---|
建築施工管理技士 | マンション・ビルなど一般的な建築物 |
土木施工管理技士 | 道路・橋梁・トンネルなどインフラ関連 |
電気工事施工管理技士 | 照明や配電設備など電気分野 |
管工事施工管理技士 | 空調・給排水やガス設備など |
造園施工管理技士 | 公園や庭園などの造園工事 |
試験自体の難易度はやや高いとされますが、取得すれば大きなアドバンテージとなる資格です。将来を見据えて計画的に学習する価値があります。
3. 業務効率化とDXの動向
建設業界では慢性的な人手不足や長時間労働が課題となっており、IT技術の導入による効率化が進みつつあります。例えば、遠隔地からの現場監視システムや、ドローンを使った点検・測量、自動化可能なロボットの活用事例などが増加傾向です。
働きやすさに注力する企業も増えており、転職サイトの求人情報を見ても「原則定時退社」「年間休日120日以上」といった募集要項を掲げるケースが出始めています。今後は労働環境の改善がより加速していくと期待されています。
このようなDXの流れは施工管理の働き方を進化させるものであり、新しい技術に興味のある方には追い風となる可能性が高いと言えるでしょう。
未経験から施工管理へ挑戦するコツ
近年、若手不足や需要拡大に伴い、未経験者歓迎の求人も増えています。業界経験がない方でも、学習意欲やチームをまとめる力などをアピールすることで採用につながるケースがあるでしょう。
ただし、実際の業務では覚えることが多く、現場特有のコミュニケーションや安全対策、品質確保など幅広い知識が求められます。無理のないステップアップを目指すための注意点をここで把握しておきましょう。
1. 適性と必要スキル
「工期内に確実に工事を仕上げるにはどうすればいいか」という視点をもち、トラブルがあっても冷静に計画を再調整できる人は施工管理に向いています。多くの人を取りまとめる必要があるため、コミュニケーション能力は必須といえます。
さらに、規格や法律に基づく書類作成や役所対応が多いことから、書類作成スキルやPC操作に慣れているとスムーズです。リーダーシップと事務処理力の両立ができる方は、大きな武器になります。
安全面では常に危険が隣り合わせになる仕事であるため、現場の状況を見落とさない観察力や「万が一」に備える姿勢が大切です。
2. 求人選びのポイント
未経験OK、第二新卒歓迎などの文言がある求人は、基本的に研修制度や先輩のフォロー体制が整っていることが多いです。現場でのOJTを通じて一から仕事を学べる機会もありますので、求人情報を細かくチェックするとよいでしょう。
また、転勤の有無や休日数、残業時間などは企業によって大きな差があります。「転勤なし」「学歴不問」で正社員募集の企業も少なくないため、自身の希望条件と照らし合わせて選ぶことが重要です。
さらに、今後現場でのリモートワークや定時退社などがどれくらい考慮されるかも確認しましょう。建設業界ではまだ多くはないものの、少しずつ増えつつあります。
3. 学習と資格取得のアプローチ
未経験スタートでも、施工管理技士の資格取得に向けて学習を進めると専門知識が身につきます。さらに、必要に応じてCADの操作や安全衛生関連の学習を行うと、即戦力として評価される可能性も高まります。
大切なのは、コツコツと知識を積み重ねる姿勢です。たとえば、職業訓練校で基礎を学んだり、通信講座やオンライン学習を活用したりできる環境もあるため、うまく活用することをおすすめします。
知識と現場経験を着実に蓄積すれば、施工管理技士やその他関連資格の取得が見えてきます。資格を取ることで、さらに責任ある立場へ進む道も広がるでしょう。
まとめ
施工管理は工事を滞りなく進めるための要となる存在であり、現場監督とは異なる観点から工事全体を支えるポジションです。需要が高い職種のため、資格取得や実務経験を積めばキャリアアップが十分に期待できます。
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